電子マニフェストの始め方JWNET加入の手順と料金

紙マニフェストの控えを綴じて交付等状況報告書を毎年作る作業を、電子マニフェスト(JWNET)に切り替えて減らしたいと考えていませんか。加入はWeb申込だけで完結し、最短で申込当日から使えます。廃棄物処理法第12条の5と施行規則、JWNET公式サイトの料金表(2026年9月15日確認)をもとに、義務になる条件・手順・料金・登録期限を整理しました。読み終えるころには、自社が義務対象かどうかと、委託先に何を聞いてから申し込めばよいかが決まります。まず手順の一覧から見てください。

電子マニフェストは5つの手順で運用を始められる

紙から電子への切り替えは、次の5手順で進みます。申込はJWNET(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが運営する電子マニフェストシステム)のWebサイトで完結します。

手順行うこと根拠・所要
1自社が使用義務の対象か確認する。前々年度に特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場があれば義務対象廃棄物処理法第12条の5第1項、施行規則第8条の31の3
2委託先の収集運搬業者・処分業者に、JWNETの加入者番号と公開確認番号を聞く相手が未加入なら加入を依頼する
3JWNETのWebで仮申込をし、届いた仮IDで加入申込をする。加入区分・料金区分・支払方法を入力する仮申込のメールは15分ほど、加入者番号は申込後30分〜1時間で届く
4加入者番号(数字7桁)でログインし、基本設定と通知設定を済ませ、加入証を印刷する申込当日から利用できる(21時以降の申込は翌日)
5廃棄物を引き渡した後3日以内(休日等を除く)にマニフェスト情報を登録する施行規則第8条の31の6

所要時間はJWNET「加入申込の流れ」(2026年9月15日確認)によります。マニフェスト制度そのものの仕組みはマニフェスト(産業廃棄物管理票)の基本で扱っているので、この記事は電子に切り替える手順に絞ります。

紙マニフェストと何が違うのか3点で比べる

電子マニフェストは、紙の伝票の代わりに、排出事業者・収集運搬業者・処分業者の3者が情報処理センターを介してマニフェスト情報をやり取りする仕組みです。情報処理センターは廃棄物処理法第13条の2に基づき全国で1つだけ指定され、JWセンターがその指定を受けています(JWNET「電子マニフェストの仕組み」、2026年9月15日確認)。

項目紙マニフェスト電子マニフェスト
交付・登録のタイミング廃棄物の引渡しと同時に交付する引渡し後3日以内(休日等を除く)に情報処理センターへ登録する。引渡し前の予約登録もできる
処理終了の確認返送されたB2票・D票・E票をA票と照合する情報処理センターからの運搬終了・処分終了・最終処分終了の通知(メール等)で確認する
保存と行政報告控えを5年間保存し、毎年6月30日までに交付等状況報告書を都道府県知事に提出する情報処理センターが5年間保存し、都道府県知事への報告も行う。排出事業者による保存・提出は不要

出典: JWNET「紙マニフェストとの運用比較」、廃棄物処理法施行規則第8条の26・第8条の27・第8条の35・第8条の36(いずれも2026年9月15日確認)

電子を使うには3者全員がJWNETに加入していることが前提です。委託先が未加入のときの対処は後半の節で説明します。

加入が義務になるのはどの事業者か条文で確認する

廃棄物処理法第12条の5第1項は、多量の産業廃棄物を生ずる事業場を設置している事業者のうち環境省令で定めるものを「電子情報処理組織使用義務者」とし、その産業廃棄物の運搬または処分を委託するときは電子マニフェストで登録することを義務づけています。

  • 対象となる廃棄物は特別管理産業廃棄物です。ただし施行令第2条の4第5号イからハまでのPCB関連(廃PCB等・PCB汚染物・PCB処理物)は除かれます(施行規則第8条の31の2)
  • 対象となる事業者は、当該年度の前々年度に、その特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上である事業場を設置している事業者です。その事業場の産業廃棄物の運搬・処分を他人に委託する場合に限られます(施行規則第8条の31の3)

2026年度の判定に使うのは2024年度の発生量です。事業場単位で数えるため、どの事業場も50トン未満なら会社合計が50トンを超えていても義務の対象になりません。この義務は平成29年の法改正で設けられ、2020年4月から施行されています(環境省「電子マニフェスト普及拡大に向けたロードマップ」平成30年10月、2026年9月15日確認)。

義務の対象はその事業場から出る特別管理産業廃棄物の委託分で、それ以外は第12条の5第2項に基づき任意で電子マニフェストを使えます。

義務があっても紙で交付できる例外

施行規則第8条の31の4は、回線の故障や天災などで登録が困難な場合、JWNETに接続している業者への委託が困難と認められる場合、常勤の役員・職員が平成31年3月31日時点でいずれも65歳以上で接続していない場合の3つを例外としています。例外で紙を交付するときは、その理由を管理票に記載します(施行規則第8条の21第12号)。

優良認定の委託先はすでに加入している

優良産廃処理業者認定制度の認定基準には「電子マニフェストシステムに加入しており、利用可能であること」が含まれます。委託先候補が優良認定を受けていれば、JWNETへの加入は済んでいます。制度の中身は優良産廃処理業者認定制度とは何かで整理しています。

加入手続きはWeb申込だけで当日中に終わる

JWNETの加入申込はWebで完結し、最短で当日中に利用を開始できます。申込はパソコンで行います。流れは3段階です(JWNET「加入申込の流れ」)。

  1. 仮申込: 担当者氏名とメールアドレスを登録する。15分ほどで申込用仮ユーザーID(W+数字6桁)と仮パスワードがメールで届く
  2. 加入申込: 仮IDでログインし、加入規約に同意したうえで加入区分・料金区分・会社情報・支払方法を入力して【加入申込申請】を押す。30分から1時間程度で加入者番号(数字7桁)と仮パスワードが届く(21時以降の申請は翌日)
  3. 利用開始: 加入者番号でログインしてパスワードを変え、操作マニュアル簡易版「今日からはじめる電子マニフェスト」に沿って進める

加入契約は申込当日に成立します(JWNETよくあるご質問Q11-009)。会社情報と支払方法(口座情報など)は手元にそろえてから入力を始めます。

加入区分と加入の単位

加入区分は排出事業者・収集運搬業者・処分業者の3つで、1区分ずつ申込をして加入者番号を取得します(JWNETよくあるご質問Q07-001)。排出事業者の加入単位は任意で、本社で1つ加入して複数の支店をまとめて管理しても、支店・工場ごとに加入しても構いません。利用料金は加入者番号ごとに請求されます(JWNETガイドブック2025、2026年9月15日確認)。支店にも入力させたいときは「加入者サブ番号」を最大99件まで登録できます(JWNET「電子マニフェストのアクセス方法」)。

委託先の加入者番号と公開確認番号を先に集める

排出事業者がマニフェストを登録するには、委託先の収集運搬業者と処分業者それぞれの加入者番号と公開確認番号が必要です。公開確認番号は収集運搬業者・処分業者に付与される番号で、排出事業者にはありません。取引先に直接聞いて、ログイン後の「基本設定」に入力するとJWNETから業者情報を取得できます(JWNET「JWNETスタートガイド」、2026年9月15日確認)。加入証はマイページから無料で印刷できます。

料金は加入区分と登録件数で決まる2026年度の金額

JWNETの利用料金は「基本料(年額)」と「使用料(登録1件あたり)」の2本立てです。2026年度の料金は次のとおりです(税込。JWNET「利用料金」、2026年9月15日確認)。

加入区分料金区分基本料(1年間)使用料(登録情報1件)JWNETが示す年間登録件数の区分
排出事業者A料金26,400円11円2,401件以上
排出事業者B料金1,980円90件まで無料、91件から22円2,400件以下
排出事業者C料金(団体加入料金)110円5件まで無料、6件から22円団体加入の条件を満たす場合のみ
収集運搬業者区分なし13,200円なし設定なし
処分業者処分報告機能のみ13,200円なし設定なし
処分業者処分報告+2次登録機能 A料金26,400円11円1,381件以上
処分業者処分報告+2次登録機能 B料金13,200円90件まで無料、91件から22円1,380件以下

基本料は4月から翌年3月末までの1年分で、年度途中に加入した場合は月割りで加入申込の翌月から発生します。JWNETの早見表では、排出事業者が9月に申し込んだ場合の初年度基本料はA料金13,200円、B料金990円です。3月申込は初年度の基本料がかからず、翌年度分が4月に発生します。

月に数件から十数件の委託なら、JWNETが年間2,400件以下の区分としているB料金が候補です。料金区分は加入後もマイページから変更できます(JWNET「各種お手続き」)。支払方法は、自動引落(口座振替)、指定口座振込(振込手数料は加入者負担)、料金支払代行者への請求の3つです(JWNET「支払い方法」)。

2027年4月1日に料金が改定される

JWセンターは2027年4月1日からの利用料金改定を公表しています(「JWNET利用料金改定について」2026年7月付、2026年9月15日確認)。排出事業者は、使用料が1件22円(税込)に統一され、B料金・C料金の無料登録件数が廃止され、A料金・B料金の基本料が一律1,320円(税込)に下がります。収集運搬業者の基本料13,200円は変わりません。

運用の基本は3日以内の登録と期限内の確認

登録は引渡し後3日以内

排出事業者は、廃棄物を引き渡した後3日以内に、種類・数量・受託者の氏名または名称などをJWNETに登録します(廃棄物処理法第12条の5第1項・第2項)。この3日は、日曜日・土曜日・祝日・1月2日・1月3日・12月29日から31日までを除いて数え(施行規則第8条の31の6)、引渡し当日も含めません(JWNET「紙マニフェストとの運用比較」)。引渡し前に内容を入力しておく「予約登録」も使え、その場合も引渡し後3日以内に本登録へ切り替えます(JWNETガイドブック2025)。

現場の受け渡しには「受渡確認票」という任意の伝票を使う運用が広く行われており、JWNETから印刷できます。ドライバーと現場担当者が受渡確認票をやり取りし、事務所がそれを見て3日以内に登録する分担が基本形です(同ガイドブック)。

終了報告の確認期限を過ぎると報告書が必要になる

収集運搬業者は運搬を終えた日から、処分業者は処分を終えた日から、それぞれ3日以内(休日等を除く)に情報処理センターへ終了を報告します(施行規則第8条の34・第8条の34の3)。情報処理センターは報告を受けると遅滞なく排出事業者に通知し(法第12条の5第5項)、排出事業者はその通知で終了を確認します(同条第7項)。

確認の期限は、運搬終了・処分終了が登録日から90日(特別管理産業廃棄物は60日)、最終処分終了が180日です(施行規則第8条の37)。期限内に報告がないと情報処理センターから通知が届き(法第12条の5第10項)、排出事業者は状況を把握して措置を講じたうえで、期間が経過した日から30日以内に措置内容等の報告書を都道府県知事に提出します(同条第11項、施行規則第8条の38)。

修正・取消は確定情報になる前に

登録内容に誤りがあれば修正または取消をします。すでに運搬終了・処分終了の報告がある登録は、その収集運搬業者・処分業者の承認が必要で、排出事業者が修正・取消を行ってから10日以内に承認されないと反映されません(JWNETガイドブック2025)。

登録日から180日以上経過し、運搬・処分・最終処分の報告がすべて終わり、修正・取消の要請中でなく、最終更新から10日以上経過した情報は「確定情報」となり、修正・取消ができなくなります。月に1回はマニフェスト情報を確認する運用にしておくと、確定前に直せます。

保存と行政報告は情報処理センターが行う

登録・報告の情報は情報処理センターが5年間保存し(施行規則第8条の35)、都道府県知事への報告も情報処理センターが毎年6月30日までに事業場ごとに提出します(施行規則第8条の36)。紙で交付した分の報告書は、従来どおり排出事業者が作成して提出します(施行規則第8条の27)。

委託先がJWNETに未加入ならどうするか

電子マニフェストは3者加入が前提なので(JWNET「電子マニフェストの仕組み」)、委託先のどちらかが未加入なら、その委託分は紙マニフェストを交付します。

任意で電子を使う排出事業者の場合、法第12条の5第2項はJWNETに接続している受託者に委託する場合を対象にしているので、未加入の委託先には紙、加入している委託先には電子という併用ができます。使用義務者は、接続している業者への委託が困難と認められるときに限り紙で交付でき、その理由を管理票に記載します(施行規則第8条の31の4第2号・第8条の21第12号)。義務対象の委託先には、契約更新の前に加入状況を確認しておくと例外に頼らずに済みます。

委託先に加入を依頼するときの材料

収集運搬業者の利用料金は基本料13,200円(年額・税込)のみで、使用料は発生しません。処分業者も、処分終了報告のみの利用なら基本料13,200円です(JWNET「利用料金」、2026年9月15日確認)。加入申込はWebで当日中に完了します。この2点が依頼の材料になります。

委託先がすでに加入しているかは、JWNETの「加入者検索」で調べられます。掲載されるのは公開を承諾した加入者だけで、2026年9月9日現在、収集運搬業者の加入者32,510のうち掲載は23,737です(JWNET「加入者検索」、2026年9月15日確認)。検索に出てこない業者でも加入している場合があるので、最終的には直接聞きます。

加入状況とは別に、委託先がその産業廃棄物を扱える許可を持っているかは委託契約の前提です。手元の許可番号は許可番号チェッカーで自治体の名簿と照合でき、11桁の意味は許可番号11桁の読み方で桁ごとに整理しています。

よくある質問

紙マニフェストと電子マニフェストは併用できますか。

併用できます。委託先ごと、案件ごとに紙か電子かを選べます。ただし紙で交付した分は、控えを5年間保存し、毎年6月30日までに交付等状況報告書を都道府県知事に提出する義務が残ります(廃棄物処理法第12条の3、施行規則第8条の26・第8条の27)。使用義務者の義務対象分は、施行規則第8条の31の4の例外にあたるときだけ紙で交付できます。

「引渡し後3日以内」はどのように数えますか。

引渡し当日を含めず、日曜日・土曜日・祝日・1月2日・1月3日・12月29日から31日までを除いた3日です(施行規則第8条の31の6、JWNET「紙マニフェストとの運用比較」)。祝日のない週の金曜日に引き渡した場合、土日を除いて月・火・水と数え、翌週の水曜日が期限です。

A料金とB料金は後から変更できますか。

変更できます。マイページの【加入者情報管理】-【変更申込】から手続きし、追加で基本料の支払いが必要になる場合があります(JWNET「各種お手続き」、2026年9月15日確認)。2026年度はJWNETが年間登録件数2,400件を区分の境としており、2027年4月1日以降は基本料と使用料が統一され、違いは使用料の請求回数(A料金は年4回、B料金は年1回)になります。

まとめ

電子マニフェストへの切り替えは、義務対象の確認、委託先の加入者番号と公開確認番号の収集、JWNETへのWeb申込、基本設定、引渡し後3日以内の登録という5手順で始められます。義務対象は前々年度に特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場を持つ事業者で、それ以外も任意で加入できます。2026年度の排出事業者の料金はA料金が基本料26,400円・1件11円、B料金が基本料1,980円・90件まで無料で、2027年4月1日からは基本料1,320円・1件22円に統一されます。

委託先が未加入なら、その分は紙で交付しつつ、基本料13,200円で当日中に加入できることを伝えて依頼します。委託先の許可番号は許可番号チェッカーで照合できます。都道府県から委託先を探すときは、神奈川県愛知県埼玉県佐賀県北海道の各ページが使えます。

参考文献