がれき類とコンクリートくずの違いと処分

解体で出たコンクリートの塊と、工場で出たコンクリート製品の割れは、同じ材料でも廃棄物の種類が違います。契約書や管理票に書く種類を間違えると、委託先の許可の範囲とも合わなくなります。廃棄物処理法施行令の条文と広島市の案内をもとに、がれき類とコンクリートくずを分ける基準、「がれき類」という言葉の位置づけ、委託先の選び方を説明します。まず条文の違いから読み進めてください。

条文では2つの種類がどう書き分けられているか

コンクリートに関する産業廃棄物は、廃棄物処理法施行令第2条の別々の号に書かれています(e-Gov法令検索、2026年10月13日確認)。

号条文の趣旨
第7号ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず。コンクリートくずからは、工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く
第9号工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物

第7号のコンクリートくずは「工作物の新築、改築又は除去に伴って生じたものを除く」とされ、第9号はまさにその除かれた部分を受け持っています。同じコンクリートでも、工作物の新築・改築・除去に伴って生じたかどうかで、どちらの号に入るかが決まるのが違いの中心です。

工事に伴うかどうかはどう見分けるか

広島市の産業廃棄物の種類の案内は、次のように分けています(2026年10月13日確認)。

  • がれき類:建物や構造物などの工作物の新築・改築・除去に伴って生じたコンクリートの破片。コンクリート・アスファルト破片などが例に挙がっています。
  • ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず:工作物の新築・改築・除去に伴わないコンクリートくず。

具体例で当てはめると、次のとおりです。

  • 建物の解体で出たコンクリートの塊:工作物の除去に伴うため、第9号のがれき類
  • 工場の製造工程で出た不良品のコンクリート製品:工事に伴わないため、第7号のコンクリートくず

判断は材料ではなく、どの行為から出たかで行います。自社の廃棄物がどちらか迷うときは、排出場所を管轄する自治体の廃棄物担当窓口で確認できます。

「がれき類」は条文の種類名なのか

施行令第2条第9号の本文に「がれき類」という言葉は出てきません。この語は、環境省や県の表で、第9号の廃棄物の通称として使われています。

施行令には、この通称を条文の中で定めている箇所があります。第6条第1項第3号イ(5)は、第2条第9号に掲げる廃棄物のうち事業活動に伴って生じたものを、第7条第8号の2において「がれき類」というと定めています。第7条第8号の2は、がれき類の破砕施設で一日当たりの処理能力が5トンを超えるものを、設置に許可が必要な産業廃棄物処理施設に挙げています(2026年10月13日確認)。

契約書や管理票には、通称だけでなく、第9号に当たることが分かる書き方を委託先と合わせてください。

がれき類の処分はどう委託するか

工事で出るがれき類の排出事業者は、元請業者です。責任の分担は建設廃棄物の処理|排出事業者は元請業者になる理由で説明しています。

委託先の選び方は、次の順です。

  1. 廃棄物の種類を決めます。工事由来なら第9号のがれき類、工事由来でなければ第7号のコンクリートくずです。
  2. 収集運搬と処分を、それぞれ許可を持つ業者に委託します。法第12条第5項は、運搬を産業廃棄物収集運搬業者などに、処分を産業廃棄物処分業者などに委ねると定めています(e-Gov法令検索、2026年10月13日確認)。
  3. 許可証の「事業の範囲」に、委託する種類が含まれているかを確かめます。見方は産業廃棄物の許可証の見方にあります。
  4. 許可番号を許可番号チェッカーで照合します。

建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律の施行令第1条は、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートを特定建設資材に挙げています。コンクリートとアスファルト・コンクリートは、この政令でいう特定建設資材にあたります。

種類で変わる数字管理票の報告書の換算係数

管理票の報告書で体積をトンに直すときも、種類で係数が変わります。環境省の通知の換算係数表では、がれき類にあたる区分(第9号)が1.48、ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くずの区分が1.00です(単位はt/立米)。同じ1立方メートルでも、種類の判断を誤るとトン数が変わります。

表の全体と使い方は産業廃棄物の換算係数|m3とtの変換表にあります。

よくある質問

アスファルトの破片は、がれき類に入りますか。

広島市の案内は、工作物の新築・改築・除去に伴って生じたコンクリート・アスファルト破片などを、がれき類の例に挙げています。工事に伴って出たものなら、がれき類として扱います。

まとめ

がれき類は、工作物の新築・改築・除去に伴って生じたコンクリートの破片などで、施行令第2条第9号の廃棄物です。同じコンクリートでも工事に伴わないものは第7号のコンクリートくずで、委託先の許可の範囲と換算係数が変わります。

委託先の許可は神奈川県の事業者一覧で、がれき類に絞って探せます。許可番号は許可番号チェッカーで照合してください。

参考文献