廃プラスチック類の処分方法事業者が委託する前に知ること

工場や店舗から出るフィルムや成形くずの処理を初めて委託する担当者が、見積書の「処分方法」欄を見て手が止まる場面です。廃プラスチック類の処分は、再資源化・熱回収・焼却・埋立のどれで行うかによって、必要な施設も業者の選び方も変わります。廃棄物処理法施行令と環境省の資料をもとに、方法ごとの違いと、許可の区分から委託先を絞る手順をまとめました。まず処理方法の表から読み進めてください。

廃プラスチック類にあたるものは何か

廃プラスチック類は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻・汚泥・廃油などと並んで法律に直接名前が書かれている産業廃棄物です(廃棄物処理法第2条第4項第1号、e-Gov法令検索、2026年10月13日確認)。紙くずや木くずのように業種が限られておらず、どの業種から出たものでも対象になります。

種類の分け方の全体像は産業廃棄物20種類の見分け方にあります。ゴムくずは施行令第2条第5号で別の種類として挙げられているため、ゴムとプラスチックが一体になった部品は、含まれる種類を両方書き出して委託先の許可と照らします。

混合物や付着物があるときはどう扱うか

金属やゴムが付いたままの廃プラスチック類や、複数の素材が混ざった廃棄物は、1種類だけの場合より委託先が限られます。排出側が確認することは次の3つです。

  • 含まれる種類をすべて書き出す:廃プラスチック類のほか、金属くずやゴムくずなどが混ざる場合、委託先の許可の範囲にすべて入っているかを確かめます。
  • 危険な異物を除く:環境省の2019年の通知は、リチウムイオン電池など発火のおそれがある異物を含む廃棄物について、異物の分別と除去を徹底するよう求めています。
  • 性状と荷姿を伝える:判断基準は、委託時に排出・分別の状況、性状、荷姿などの情報を受託者に提供することを挙げています。

処理方法は再資源化・熱回収・焼却・埋立の何が違うか

廃プラスチック類の処分には、大きく4つの方法があります。環境省のプラスチック資源循環の普及啓発ページは、排出事業者の優先順位を「排出抑制、適切な分別排出、再資源化」とし、再資源化が難しく熱回収ができるものは熱回収を行うとしています(2026年10月13日確認)。

方法内容根拠・施設の区分
再資源化(マテリアルリサイクル)製品の全部または一部を、部品や原材料として使える状態にする環境省ページ。優先順位の最初
熱回収(サーマルリサイクル)燃やせるものを、熱を得る用途に使える状態にする環境省ページ。「再資源化」には含まれない
焼却廃プラスチック類の焼却施設で燃やす施行令第7条第8号
埋立(最終処分)最終処分場に埋め立てる施行令第7条第14号

施行令第7条は、廃プラスチック類の破砕施設について一日の処理能力が5トンを超えるもの、焼却施設について一日の処理能力が100キログラムを超えるもの(または火格子面積が2平方メートル以上のもの)を、設置に許可が必要な処理施設に挙げています(2026年10月13日確認)。処分業の許可は、こうした施設で行う中間処分と、埋立などの最終処分に分かれます。

委託先を選ぶ点は、自社の廃プラスチック類を、どの方法で処分する業者なのかです。排出事業者に求められる順序は再資源化が先で、熱回収はその次です。見積書に処分方法が書かれていなければ、再資源化か熱回収か焼却かを、委託先に書面で確認してください。破砕や焼却が中間処理にあたるのか、最終処分との境目がどこかは、中間処理と最終処分の違い|産廃の処理の流れで整理しています。

プラスチック資源循環法で排出事業者に求められること

プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(令和3年法律第60号)では、排出事業者に対して排出の抑制と再資源化等の促進に関する判断基準が定められています(環境省ページ、2026年10月13日確認)。

  • 対象:従業員20人以下の商業・サービス業以外の事業者、従業員5人以下の商業・サービス業の事業者は、判断基準の対象から除かれます。
  • 多量排出事業者:前年度の排出量が250トン以上の事業者は、排出抑制と再資源化等の目標を定めて計画的に取り組みます。
  • 委託:再資源化等を適正に実施できる者へ委託します。委託先が再資源化できない場合に備え、熱回収を適正に行える者への委託も考慮します。
  • 情報公表:前年度の排出量と取り組み状況の公表は、努力義務です。

委託先の選び方に直結するのは、上の「委託」の項目です。見積もりの依頼先には、再資源化を行う業者と、熱回収まで行える業者の両方を入れてください。

廃プラスチック類の処分費は何で決まるか

処分費に全国共通の定価はなく、委託先ごとの単価で決まります。環境省の2019年の通知は、広域的な処理に伴う運搬費用の増加や、中間処理後の二次委託先の料金値上げで処理コストが増加傾向にあると記しています。

単価を左右する要素は、次のとおりです。

  • 処理方法:再資源化・熱回収・焼却・埋立のどれか
  • 荷姿と性状:混合物か単一素材か、異物や付着物の有無
  • 量と運搬距離:重さで量るか、台数で量るか

同じ通知は、廃棄物処理法第19条の6に基づき排出事業者に適正な対価の支払いが求められ、委託先の不適正処理で生活環境に支障が生じた場合は措置命令の対象になりうると説明しています。費用の見積書の読み方は産業廃棄物の処理費用|単価の決まり方と見積もりの比べ方で、内訳と単位のそろえ方を整理しています。

廃プラスチック類を扱える処分業者の絞り込み手順

許可の区分から候補を絞る手順は、次の4段階です。

  1. 神奈川県の事業者一覧で、排出する廃棄物の種類に「廃プラスチック類」、委託したい業の種類に「処分」を選びます。他の都道府県も同じ手順で絞り込めます。
  2. 候補の許可区分を見ます。名簿には「処分業(中間処分のみ)」などの区分が並び、焼却や破砕などの中間処分と、埋立の最終処分のどちらを扱うかが分かります。
  3. 許可証の写しで、事業の範囲に廃プラスチック類が含まれていること、処分方法が自社の希望と合うことを確かめます。見方は産業廃棄物の許可証の見方にあります。
  4. 許可番号を許可番号チェッカーで照合し、有効期限内かを確認します。

収集運搬と処分は別々に契約します。運搬業者の積込み地と荷下ろし地の許可も、あわせて確認してください。

よくある質問

廃プラスチック類の処分方法は、排出事業者が選べますか。

排出事業者は、委託先の処分方法を確認して契約します。判断基準は、再資源化を先に、できないものは熱回収をという順序で取り組むことを求めています。見積もりの段階で、処分方法を明記した回答を依頼してください。

廃プラスチック類の処分を、一般廃棄物の施設に頼めますか。

環境省の2019年の通知は、廃棄物処理法第11条第2項に基づき、市町村が産業廃棄物の処理を事務として行えるとしています。ごみ焼却施設などを持つ市町村に、緊急避難措置としての受け入れを検討するよう求めたものです。恒常的に頼める制度ではないため、受け入れの可否は市町村に確認してください。

従業員が少ない会社も、プラスチック資源循環法の対象ですか。

従業員20人以下の商業・サービス業以外の事業者、5人以下の商業・サービス業の事業者は、判断基準の対象から除かれます。これを超える会社は、排出の抑制と再資源化等の取り組みが求められます。

まとめ

廃プラスチック類は、再資源化・熱回収・焼却・埋立のどれで処分するかによって、委託先の許可と施設が変わります。排出事業者は再資源化を先に、できないものは熱回収をという順序で委託先を選び、見積書に処分方法を書いてもらいます。

許可の区分は神奈川県の事業者一覧で廃プラスチック類と処分に絞って確認でき、番号は許可番号チェッカーで照合できます。

参考文献