引っ越しの不用品出し方と段取り

引っ越しの日取りが決まってから部屋を見渡すと、運ばずに手放したい家具や家電が思った以上に出てきます。結論から言うと、最初に動くべきは自治体の粗大ごみの申込みです。インターネット受付の締切を収集日の7日前としている自治体があり、転居直前では間に合わないことがあるからです。環境省と自治体の案内をもとに、品目ごとの出し先と引っ越し日から逆算した段取りを整理しました。読み終えると、今日から何に手をつければよいかが分かります。

引っ越しの不用品は粗大ごみの申込みから先に動かす

引っ越しで出る不用品の処理は、自治体の粗大ごみの申込みを最初に済ませると全体が回りやすくなります。粗大ごみは申込んだその日に持って行ってもらえる仕組みではなく、収集日が後日に指定されるからです。

たとえば名古屋市はインターネット受付の新規申込みの締切日を「収集日の7日前」と案内しています(名古屋市粗大ごみ受付センター、2026年9月6日確認)。横浜市も、オンラインでの収集の新規申込みを収集日の7営業日前までとしています(横浜市粗大ごみ受付システム、2026年9月6日確認)。この2市の例が示すとおり、申込みから収集までには一定の日数を挟む設計になっており、日数の数え方は自治体ごとに異なります。

さらに、収集日は申込んだ側が自由に選べるわけではなく、その地区の収集枠に空きがある日から案内されます。転出が集中する時期には希望日が先に埋まることがあります。申込みの1回あたりの点数にも上限が設けられている場合があり、横浜市は収集の申込みを1回あたり9点までとしています(横浜市粗大ごみ受付システム、2026年9月6日確認)。点数が多い世帯は申込みを分ける必要が出てくるため、その分の日数も見込んでおきます。

申込みから排出までの流れそのものは粗大ごみの出し方で詳しく説明しています。お住まいの自治体の申込先・受付時間は横浜市名古屋市川崎市のように市区町村ごとのページにまとめています。

引っ越し日から逆算していつ何をするか

段取りは「引っ越し日の何日前か」で組み立てると抜けが出にくくなります。粗大ごみの収集日は申込みから日数を置いて指定されるため、この1本が全体のスケジュールを決めます。

時期やること
引っ越し日が決まったら手放す物を部屋ごとに書き出し、粗大ごみ・家電4品目・パソコン・リユースに振り分ける
振り分けたらすぐ自治体の粗大ごみを申込み、収集日を確保する。点数が多ければ申込みを分ける
収集日が決まったら手数料の納付券を購入する。買取やリユースに出す品は査定を依頼する
家電4品目が出たら買い替え先または購入した小売店に引き取りを申し込む
パソコンが出たらメーカーの回収窓口か、回収している家電量販店・市区町村を確認して申込む
収集日の前日まで品目の変更・取消しの締切日を確認する。当日に残りそうな物を洗い出す
収集日の朝指定された時刻までに、決められた場所へ出す

品目の変更や取消しにも締切があります。名古屋市は品目追加の締切を収集日の7日前、品目減少と申込取消しの締切を収集日の1日前としています(名古屋市粗大ごみ受付センター、2026年9月6日確認)。荷造りを進めるうちに「やっぱりこれも捨てる」と増えることを見越すと、追加の締切に間に合う早い段階で一度書き出しておくのが安全です。

品目ごとに出し先が分かれる

不用品は、どこに頼むかが品目で分かれます。同じ部屋から出た物でも、家具とテレビとパソコンでは行き先が違います。

品目出し先
家具・寝具・自転車など自治体の粗大ごみ
エアコン・テレビ・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)家電リサイクル法の仕組みで家電小売店へ
パソコン本体・ディスプレイメーカーの回収、または小型家電リサイクルの回収窓口
まだ使える家具・家電・衣類リユースショップ・買取・フリマサービス
上記に当てはまらない量をまとめて頼みたい場合一般廃棄物処理業の許可を持つ回収業者

エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機の4品目は、自治体の粗大ごみでは受け付けられません。名古屋市も「市が収集しない粗大ごみ」として家電リサイクル対象品目とパソコンを挙げています(名古屋市粗大ごみ受付センター、2026年9月6日確認)。4品目の引き取りの頼み方は家電4品目の捨て方に、品目ごとの扱いはエアコンテレビ冷蔵庫・冷凍庫洗濯機・衣類乾燥機のページにまとめています。

ピアノ・耐火金庫・消火器のように、自治体が処理困難品として収集の対象外にしている品目もあります。品目一覧に見当たらない物が出てきたら、粗大ごみ以外の道筋があると考えて自治体の案内を確認してください。

粗大ごみとして出せる品物でも、まとめ方で扱いが変わることがあります。川崎市は、布団・マットレス(スプリング入りを除く)・座布団などを「一束(5枚・本)までを1個」として出せる品目として案内しています(川崎市サイト、2026年9月6日確認)。引っ越しでは同じ種類の物がまとまって出やすいため、束ねられる品目かどうかを申込みの前に確認しておくと、点数の見積もりが変わります。

まだ使える物は売る・譲るという選択肢がある

比較的新しくて十分に使える家電や家具は、廃棄ではなく中古品として手放す道があります。環境省は、リユースを希望する場合について、古物商の許可を有し信用できる業者に中古品としての買取りを依頼するよう案内しています(環境省サイト、2026年9月6日確認)。

自治体側もリユースを案内しています。名古屋市は、手数料を払って粗大ごみとして処分する前にリユースを検討するよう呼びかけ、買取価格の比較サービスや持ち込みでの引き取り拠点、フリマサービスを紹介しています(名古屋市粗大ごみ受付センター、2026年9月6日確認)。横浜市も粗大ごみを出す前にリユースを検討するよう案内しています(横浜市粗大ごみ受付システム、2026年9月6日確認)。

引っ越しでリユースを使うときは、日程との相性を見ておきます。出張買取は日程調整が必要で、フリマサービスは買い手がつくまでの期間が読めません。売れなかったときに粗大ごみの申込みへ切り替えられるよう、収集日の締切から逆算した「見切りをつける日」を先に決めておくと、当日に持て余さずに済みます。

パソコンはメーカーか小型家電リサイクルで引き取ってもらう

パソコンは粗大ごみとは別の仕組みで回収されます。資源有効利用促進法にもとづき、家庭で不用になったパソコンをパソコンメーカーが回収してリサイクルする仕組みが用意されています(一般社団法人パソコン3R推進協会、2026年9月6日確認)。

回収の対象になるのは、デスクトップパソコン、ノートパソコン、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ一体型パソコン、液晶ディスプレイ一体型パソコンです。申込みはメーカーに直接行い、本体とディスプレイのメーカーが違う場合はそれぞれのメーカーへ申込みます。回収するメーカーが見当たらない機種は、パソコン3R推進協会が引き取ります(同協会、2026年9月6日確認)。

料金の扱いは「PCリサイクルマーク」の有無で変わります。同協会は、このマークが2003年(平成15年)10月以降に販売された家庭向けパソコンに貼付されているもので、マークの付いたパソコンは廃棄する際に新たな料金を負担することなく廃棄できると説明しています。マークが付いていないパソコンは回収再資源化料金の負担が必要になります(同協会、2026年9月6日確認)。手放す前に、本体の側面や背面にマークがあるかを見ておくと、申込みのときに迷いません。

申込み後の流れは、メーカーから郵送される伝票を貼って梱包し、郵便局に集荷を依頼するか最寄りの郵便局へ持ち込む形です。コンビニエンスストアや簡易郵便局では取り扱われないため、持ち込む先を確認してから出します(同協会、2026年9月6日確認)。

もう一つの道筋が小型家電リサイクル法にもとづく回収です。2013年(平成25年)4月の同法施行後、一部の家電量販店や市区町村でもパソコンの回収が行われています。ただし、回収を行うのは制度に参加した家電量販店や市区町村に限られ、回収される品目もそれぞれで異なります(同協会、2026年9月6日確認)。お住まいの市区町村が回収しているかは、市区町村の担当部門やごみカレンダーで確認する形になります。パソコンの粗大ごみとしての扱いはパソコンのページでも確認できます。

データの扱いも引っ越し前に済ませておきます。同協会は、回収したパソコンについてハードディスクの破壊など情報漏洩を防ぐ措置をとったうえで資源に戻すと説明しています。小型家電リサイクル制度でも、パソコンを回収する家電量販店は国の認定で情報漏洩対策が確認され、市区町村も情報漏洩対策が取れるところのみが回収できることになっています(同協会、2026年9月6日確認)。

引っ越し業者や回収業者に頼むときに確認すること

引っ越し業者が不用品の引取りにも対応していることがあります。ここで確認しておきたいのが、その引取りにどの許可が使われているかです。環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業許可や委託が必要で、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できないと案内しています(環境省サイト、2026年9月6日確認)。

ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業許可」や委託が必要です。

引っ越しの見積もりのときに不用品の引取りを提案されたら、「どの市区町村の一般廃棄物処理業の許可にもとづく引取りか」「許可を持つ業者に引き継ぐ形か」を聞いておくのが確実です。中古品としての買取りであれば古物商の許可が関係し、廃棄物としての回収とは別の話になります。どちらの扱いになるのかを、見積書の項目名まで含めて確認しておきます。

回収業者を別に手配する場合も、確認する順番は同じです。許可の確認の仕方と見積もりの取り方は不用品回収業者の選び方に、依頼前に押さえておきたい点は回収業者に頼む前に確認することにまとめています。業者から許可番号を聞けたら、許可番号チェッカーで自治体が公開している名簿と照合できます。

引っ越し自体のトラブルにも目配りが要ります。国民生活センターは2026年2月4日、引越トラブルに関する相談が寄せられており徐々に増加していると公表し、前年度の相談を受付月別に見ると新生活を迎える3月から4月に増加する傾向があると説明しています。あわせて、引越事業者から渡される約款や見積書等の関係書類をしっかりと読み、疑問点や不明な点は必ず事前に確認するよう助言しています(国民生活センター、2026年9月6日確認)。当日の追加費用について見積もり時に説明がなかったという相談事例も挙げられており、エアコンの脱着や高所作業のように当日発生しやすい作業は、契約前に費用の有無を確認しておくと安心です。

転出先ではなく転出元の自治体で手続きする

粗大ごみの収集を頼めるのは、その品物がいま置かれている自治体です。引っ越し先の自治体に申込んで、旧居の家具を持って行ってもらう形にはなりません。転出前に、いま住んでいる自治体の受付へ申込むのが基本の順序になります。

自治体の粗大ごみ収集は、その市区町村の住民から出る家庭ごみを対象にした仕組みです。名古屋市も、粗大ごみの対象を家庭から排出されるものとし、事業活動に伴って排出されるものは申込みの対象外としています(名古屋市粗大ごみ受付センター、2026年9月6日確認)。申込み時に住所を伝える形になっているのは、この対象の切り分けのためです。

引っ越しの日程が転出届の提出と重なると、手続きの順番が前後しがちです。粗大ごみの申込みは転出届より先に済ませておき、収集日を旧居にまだ荷物を置いておける日に設定しておくと、当日に持ち出せない品物を抱えずに済みます。

申込方法・手数料の支払い方式・自己搬入の可否は自治体ごとに定められています。転居先で改めて不用品が出たときのために、新居側の自治体の案内も引っ越し後に一度見ておくと、次の機会に慌てません。自治体ごとの申込先・受付方法は市区町村のページから、品目ごとの扱いは品目一覧から確認できます。

よくある質問

引っ越し当日まで残ってしまった家具は、どうすればよいですか。

自治体の収集日に間に合わなくなった品物は、自己搬入を受け付けている自治体であればごみ処理施設へ直接持ち込む方法があります。横浜市は自己搬入の新規申込みを持込日の当日午後3時までとしており、収集を待つ場合より締切が遅く設定されています(横浜市粗大ごみ受付システム、2026年9月6日確認)。自己搬入の可否と受付条件は自治体ごとに異なるため、お住まいの自治体の案内を確認してください。持ち込みが難しい場合は、一般廃棄物処理業の許可を持つ回収業者に依頼する形になります。

エアコンは引っ越し業者に外してもらえますか。

エアコンの取り外しは引っ越しの作業として頼めることがありますが、外した本体をそのまま持って行ってもらえるかは別の話になります。エアコンは家電リサイクル法の対象で、粗大ごみとは別の仕組みで回収されるためです。国民生活センターの相談事例にも、エアコンの脱着作業に関する当日費用の説明がなく引っ越し当日に請求されたというものがあります(国民生活センター、2026年9月6日確認)。取り外しの費用と、外した機器の引き取り方を、見積もりの段階で分けて確認しておくと行き違いが起きにくくなります。

粗大ごみの申込みは、引っ越しのどれくらい前にすればよいですか。

インターネット受付の締切を収集日の7日前としている自治体(名古屋市)や、収集の新規申込みを収集日の7営業日前までとしている自治体(横浜市)があります。ここに希望日の空き状況と、1回あたりの申込点数の上限が重なるため、締切の日数そのものより余裕を持って動くことになります。転出の日程が決まった時点で手放す物を書き出し、その週のうちに申込むところまで進めておくと、収集日を選びやすくなります。

まとめ

引っ越しの不用品は、自治体の粗大ごみの申込みを起点に段取りを組むと全体が回ります。インターネット受付の締切を収集日の7日前・7営業日前としている自治体があり、収集日は申込んでから指定されるためです。品目は、粗大ごみ・家電4品目・パソコン・リユース・回収業者の5つに振り分けます。パソコンはメーカーの回収か小型家電リサイクルの窓口、家電4品目は家電4品目の捨て方の手順で家電小売店へ渡します。回収業者に頼むなら、不用品回収業者の選び方で確認する項目を押さえたうえで、聞けた許可番号を許可番号チェッカーで照合してください。お住まいの自治体の申込先は横浜市名古屋市などの市区町村ページと品目一覧から確認できます。

参考文献