事業系一般廃棄物の捨て方産業廃棄物との違いと料金

店舗の片付けで紙ごみ・弁当がら・使い終えた梱包用のフィルムがまとめて出たとき、どれを市の施設で処理し、どれを産廃業者に頼むのか迷う担当者は多いはずです。事業所から出るごみのうち、政令の20種類にあたるものが産業廃棄物、それ以外が事業系一般廃棄物です。横浜市は事業系ごみを収集せず、名古屋市は2026年10月1日に処理手数料の上限を50円から61円/kgへ改めました。環境省のチェックリストと3市の公式ページをもとに、区分の分け方と出し方、料金の決まり方を表にしています。まず政令市の比較表から見てください。

事業系一般廃棄物にあたるものは何か

事業活動で出たごみのうち、産業廃棄物以外のものです。環境省のチェックリストは、一般廃棄物を「産業廃棄物以外の廃棄物」(廃棄物処理法第2条第2項)、産業廃棄物を「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物」(同条第4項)と説明しています(環境省、2026年10月13日確認)。

横浜市の案内では、病院・学校・官公署など営利を目的としない場所の廃棄物も事業系ごみです。具体例は、伝票・書類などの紙類、お茶殻、従業員の食べ残し、飲食店の調理くずと残飯です(横浜市、2026年10月13日確認)。

家庭ごみの集積場所には、少量でも出せません。横浜市は、量や重さにかかわらず有料で処理する必要があると案内しています。制度全体の区分は一般廃棄物と産業廃棄物の違いで説明しています。

同じ事業所でも産業廃棄物になるもの

事業所から出るごみは、品目で二つに分かれます。環境省のチェックリストが挙げる産業廃棄物のうち、身近なものを表にしました。

品目区分環境省チェックリストの記述
廃プラスチック類産業廃棄物(業種を問わない)合成樹脂くず、合成繊維くず、合成ゴムくずなど
金属くず産業廃棄物(業種を問わない)鉄鋼・非鉄金属の研磨くず、切削くず
紙くず特定の業種から出た場合のみ産業廃棄物建設業(工作物の新築・改築・除去に伴うもの)、製紙業、印刷物加工業など
木くず特定の業種から出た場合のみ産業廃棄物建設業、木材・木製品製造業など。貨物流通用のパレットも含む

紙くず・木くずは、環境省が挙げる業種から出た場合だけ産業廃棄物です。それ以外の業種のオフィスから出た紙ごみは、産業廃棄物の定義に入らないため、第2条第2項により一般廃棄物にあたります。

実務で差が出るのは、梱包材や容器です。さいたま市の処理ガイド(令和8年度版)は、廃プラスチック類の例に発泡スチロール・ビニール製品・ペットボトル、金属くずの例にスプレー缶・一斗缶・アルミ製品・スチール製品・かんを挙げています。化学繊維を使った作業着も、廃プラスチック類として処理する扱いです。

横浜市も、焼却工場に自己搬入できない産業廃棄物として、廃プラスチック類・金属くずなどを挙げ、缶・びん・ペットボトルも含むと明記しています。迷う品目は、事業所のある市の窓口に品目名を伝えて確認してください。20種類の見分け方は産業廃棄物の20種類|業種限定と見分け方にまとめています。

出し方は許可業者への委託と自己搬入の2通り

事業者は、事業活動で出た廃棄物を自分の責任で処理します(廃棄物処理法第3条)。環境省は、事業系一般廃棄物の具体的な処理方法は、事業を行う区域の市町村の運用に従うと案内しています。

横浜市の場合、事業系ごみは市が収集しません。出し方は次の2つです。

  1. 一般廃棄物収集運搬の許可を受けた業者に収集を頼み、有料で処理する
  2. 事業者が自ら焼却工場へ搬入する(排出場所のある区の資源循環局事務所への届出か、電子申請が事前に必要)

例外が、住居と併置する小規模な事務所・店舗です。従業員が同居の親族で、ごみの量が1日あたり家庭ごみと事業ごみ合わせて5kgなどの要件に当てはまれば、届出のうえで市が収集し、手数料はかかりません(横浜市、2026年10月13日確認)。

さいたま市は、許可業者への回収依頼と、市の清掃センターへの自己搬入の2通りです。清掃センターは事前予約制で、当日の予約はできません。排出元が市内であることを示す書類も持参します(さいたま市、2026年10月13日確認)。

許可業者の探し方は一般廃棄物の許可業者の探し方と横浜市のページをご覧ください。

産業廃棄物は、産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ別の業者へ委託します。同じ事業所でも、委託先は2社に分かれるのが基本です。

事業系一般廃棄物の料金はどう決まるか

料金は、排出事業者と許可業者の契約で決まります。ただし上限があります。名古屋市の案内では、廃棄物処理法第7条第12項の規定により、市が条例で定める手数料の額が、消費税等を含めた上限金額です(名古屋市、2026年10月13日確認)。

名古屋市は2026年10月1日に手数料を改めました。許可業者に収集・運搬・処分を委託する場合の上限は1kgまでごとに61円(市の処分手数料27円を含む)で、処分のみを委託する場合は27円です。

さいたま市は、市の清掃センターに搬入する事業系一般廃棄物の手数料を、10kgあたり240円で計算した額に100分の110を乗じ、10円未満を切り捨てた額としています。240円に1.1を掛けて264円が10kgあたりの金額で、100kgなら2,640円です(さいたま市、2026年10月13日確認)。許可業者の収集運搬料金は業者ごとに異なり、市は書面での契約を勧めています。

収集・運搬まで含む額なのか、処分のみなのかを、見積書で確かめてください。

横浜市・名古屋市・さいたま市の案内を比べる

2026年10月13日時点で各市の公式ページが示している手数料です。

項目横浜市名古屋市さいたま市
手数料の額許可業者の契約料金に、市の工場・処分地への搬入費用13円/kgが含まれる許可業者に収集・運搬・処分を委託する上限は61円/kg(税込)。処分のみは27円/kg清掃センター搬入は10kgあたり240円に110/100を乗じた額
市の収集行わない(住居併置の小規模事業所は届出で収集)料金ページは許可業者委託と自己搬入を案内許可業者への回収依頼か自己搬入

次の表は、同じ事業所から出る産業廃棄物との分け方です。

項目横浜市さいたま市
産業廃棄物の市施設への搬入焼却工場は受け入れない清掃センターへの搬入は禁止
品目の例廃プラスチック類、金属くず、缶・びん・ペットボトル発泡スチロール、ビニール製品、スプレー缶、一斗缶、アルミ製品

各市の粗大ごみ手数料と許可業者は、横浜市・名古屋市・さいたま市のページで確認できます。

よくある質問

少量の事業系ごみを、家庭ごみとして出せますか。

出せません。横浜市は、事業系ごみは市が収集せず、わずかな量でも家庭ごみの集積場所に出せないと案内しています。さいたま市の処理ガイドも、事業ごみは家庭ごみの収集所には出せないとしています。

事業系一般廃棄物の処理は、産業廃棄物の許可業者に頼めますか。

別の許可が必要です。事業系一般廃棄物の収集運搬は一般廃棄物収集運搬業の許可、産業廃棄物は産業廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者に依頼します。横浜市の案内も、この二つを分けています。

手数料は誰に支払いますか。

許可業者に委託する場合は、契約した業者に支払います。自己搬入では、市の処理施設で手数料がかかります。さいたま市では、10kgあたり240円に110/100を乗じ、10円未満を切り捨てた額です。

まとめ

事業所から出たごみは、産業廃棄物に当たる品目と、それ以外の事業系一般廃棄物に分かれます。廃プラスチック類と金属くずは業種を問わず産業廃棄物で、紙くずなどは環境省が挙げる業種だけが産業廃棄物です。事業系一般廃棄物の料金は、許可業者との契約と、市の条例が定める手数料で決まります。

事業所のある市の窓口で、区分と手数料を品目ごとに確認してください。産業廃棄物の委託先は、許可番号チェッカーで自治体の名簿と照合できます。都道府県から探すなら神奈川県・愛知県・埼玉県のページへどうぞ。

参考文献