パソコン・小型家電の捨て方無料の窓口とマーク無しの料金

実家じまいや買い替えで古いパソコンや小型家電を処分するとき、粗大ごみの受付で断られたり、無料で出せる窓口を知らずに料金を払ったりすることがあります。結論から言うと、パソコンはメーカーの回収窓口、小型家電は自治体の回収ボックスか認定事業者、どちらにも当てはまらない物は自治体のごみ、という3つの出し先を押さえれば迷いません。資源有効利用促進法と小型家電リサイクル法、経済産業省・環境省・自治体の案内をもとに、無料になる条件と料金、回収ボックスに入れてよい物、データの消し方を整理しました。まず早見表から見てください。

パソコンと小型家電は出し先が3つに分かれる

古いパソコンや小型家電は、品目ごとに出し先が法律で決まっています。パソコンは資源有効利用促進法にもとづくメーカーの回収、携帯電話やデジタルカメラなどの小型家電は小型家電リサイクル法にもとづく自治体や認定事業者の回収、どちらでも受け付けない物は自治体のごみ、という3経路です。

品目出し先費用
パソコン本体・パソコン用ディスプレイメーカーの回収窓口。メーカーが無い物はパソコン3R推進協会。自治体が小型家電として回収する場合もあるPCリサイクルマーク付きは無料。マーク無しは回収再資源化料金
携帯電話・デジタルカメラ・ゲーム機などの小型家電自治体の回収ボックスや拠点、または国の認定事業者の宅配回収・店頭回収自治体によって異なり、品目によっては手数料がかかる場合がある
エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機家電リサイクル法の仕組みで家電小売店へリサイクル料金と収集運搬料金
自治体の小型家電回収の対象になっていない家電自治体の粗大ごみ・不燃ごみ自治体の区分と手数料による

パソコンは資源有効利用促進法によりメーカーの回収とリサイクルが義務づけられていると経済産業省が案内し、小型家電はどの品目を回収するかを市町村ごとに決める仕組みで、費用も市町村によって異なると政府広報オンラインが説明しています(いずれも2026年9月18日確認)。

エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象で、頼み方は家電4品目の捨て方にまとめています。引っ越しに合わせて処分するなら、引っ越しの不用品の出し方で段取りを先に確認しておくと、粗大ごみの申込みと同じ日程で動けます。

パソコンはメーカー回収が基本でマークがあれば無料

資源有効利用促進法は、メーカー等による自主回収と再資源化が必要な製品を「指定再資源化製品」として政令で定めています(第2条第14項。e-Gov法令検索、2026年9月18日確認)。施行令の別表第六でパーソナルコンピュータがこの製品に挙げられ、重量が1キログラム以下のものは除くと付記されています(同施行令第7条・別表第六、2026年9月18日確認)。

回収の対象になる機器と、ならない機器

経済産業省が回収対象として挙げているのは、デスクトップコンピュータ本体、パソコン用ディスプレイ装置(ブラウン管式・液晶式。有機EL式は含まない)、ノートブックパソコンの3種類で、タブレット端末は対象外です(経済産業省サイト、2026年9月18日確認)。

一般社団法人パソコン3R推進協会は、購入時の標準添付品であるマウス・キーボード・ケーブルも一緒に回収し、ワークステーション、サーバー、ワープロ、プリンターは対象外で自治体に問い合わせるよう案内しています(同協会サイト、2026年9月18日確認)。

PCリサイクルマークの有無で料金が決まる

PCリサイクルマークは、2003年(平成15年)10月以降に販売された家庭向けパソコンに貼付されているマークで、マーク付きのパソコンは廃棄時に新たな料金を負担せずに出せます。マークが無いパソコン(2003年9月までに購入された製品)は回収再資源化料金が必要で、金額は各メーカーに問い合わせる形です(同協会サイト、2026年9月18日確認)。経済産業省も、マークが無くても家庭での使用であれば無料になる場合もあるため、まずメーカーに問い合わせるよう勧めています(経済産業省サイト、2026年9月18日確認)。

メーカーが倒産・事業撤退したパソコンと自作パソコンは、パソコン3R推進協会が有料で回収します。協会の受付ページに載っている料金は次のとおりです(同協会受付サイト、2026年9月18日確認。振込手数料は別)。

機器回収再資源化料金(税込)
デスクトップパソコン(本体)4,400円
ノートパソコン4,400円
液晶ディスプレイ4,400円
液晶ディスプレイ一体型パソコン4,400円
CRTディスプレイ5,500円
CRTディスプレイ一体型パソコン5,500円

PCリサイクルマークが付いていても、メーカーが倒産した場合などは協会が回収し、この料金が必要になります。IBMはレノボ・ジャパン、DECとコンパックは日本HPが回収するなど、ブランドが別会社に引き継がれた例もあります(同協会サイト、2026年9月18日確認)。

申込みから引き渡しまでの流れ

申込みはメーカーに直接行い、本体とディスプレイのメーカーが違う場合はそれぞれに申し込みます。協会のメーカー受付窓口一覧(令和8年8月現在)に申込窓口が載っています(同協会サイト、2026年9月18日確認)。

  1. メーカーの窓口に申し込む。型番や製品カテゴリー(デスクトップ本体・ノートなど)を事前に確認しておく
  2. マーク無しの場合は回収再資源化料金を支払う。協会の場合は郵便局の払込取扱票が郵送され、振込後にエコゆうパック伝票が届く
  3. 1台ずつ簡易梱包して伝票を貼り、郵便局の戸口集荷か持ち込みで出す。コンビニエンスストアや簡易郵便局では受け付けられず、輸送料金はかからない

協会に申し込んだ場合の日数は、無償回収のみなら10日前後、有償回収が含まれると14日前後です。引き取り後の製品は返却されないため、バックアップとデータ消去は発送前に済ませておきます(同協会受付サイト、2026年9月18日確認)。

小型家電は自治体の回収ボックスか認定事業者に出す

小型家電リサイクル法は、消費者が日常生活で使う電子機器などのうち、家電4品目を除いて政令で定めるものを「小型電子機器等」としています(第2条第1項。e-Gov法令検索、2026年9月18日確認)。施行令第1条には、電話機、携帯電話端末、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、記憶装置、プリンター、ディスプレイ、炊飯器や電子レンジなどの台所用機器、電気掃除機、ゲーム機など28の区分が並んでいます(同施行令、2026年9月18日確認)。

法律は、市町村に分別収集と認定事業者などへの引き渡しに努める責務を(第5条第1項)、消費者に分別排出と市町村などへの引き渡しに努める責務を定めています(第6条)。どの品目をどう回収するかは市町村ごとに決められ、回収方法にはボックス回収・ステーション回収・イベント回収・ピックアップ回収の4つがあると政府広報オンラインが説明しています(2026年3月19日付、2026年9月18日確認)。

回収ボックスに入れてよい物は投入口の大きさで決まる

横浜市は、市庁舎や区総合庁舎などに小型家電回収ボックスを置き、回収品目を「投入口(30センチ×15センチ)に入る長さ30センチ未満の、電気・電池で動作する製品」としています。平成28年5月からパソコンも回収品目に加わりました。袋に入れないこと、バッテリーや電池・電球・蛍光灯は外すこと、一度投入した製品は返却できないことが注意事項です(横浜市サイト、2025年11月27日更新、2026年9月18日確認)。

さいたま市も投入口は「30cm×15cm」で、ノートパソコンのようにこの投入口に入るパソコンは公共施設の回収ボックスで受け付け、デスクトップパソコンのように入らないパソコンはごみ処理施設への直接搬入で受け付けています(さいたま市サイト、2025年10月22日更新、2026年9月18日確認)。事業所から出た小型家電は産業廃棄物にあたるため、回収ボックスには入れられません(同市サイト、2026年9月18日確認)。

投入口のサイズやパソコンの扱いは自治体ごとに違います。お住まいの自治体の案内は横浜市さいたま市のような市区町村のページから、パソコンの自治体での扱いはパソコンのページからたどれます。

認定事業者の宅配回収・店頭回収という道もある

小型家電リサイクル法では、収集・運搬・処分の事業計画を主務大臣が認定する仕組みがあり(第10条)、認定事業者は廃棄物処理法の許可を受けずに認定計画に従った収集運搬と処分を行えます(第13条第1項。e-Gov法令検索、2026年9月18日確認)。環境省の認定事業者一覧には、令和8年6月12日現在で第1号から第69号まで(事業廃止による欠番9件を除く60者)が収集区域つきで載っています(環境省サイト、2026年9月18日確認)。

横浜市とさいたま市は、市と協定を結んだ認定事業者が宅配便でパソコンと小型家電を回収する仕組みを案内し、横浜市は認定事業者の委託先の家電量販店による店頭回収も挙げています。店頭回収は一部品目が有料で回収ボックス方式ではないため、品目と料金は店舗に問い合わせる形です(横浜市サイト、2026年9月18日確認)。

保存したデータは回収に出す前に自分の手で消しておく

経済産業省は、パソコンに保存されているデータは使用者・排出者の責任であらかじめ消去しておくことが望ましいと案内しています(経済産業省サイト、2026年9月18日確認)。横浜市も、個人情報が含まれる製品は消去してからボックスに入れるよう求めています(横浜市サイト、2026年9月18日確認)。

初期化だけでは足りない理由を、パソコン3R推進協会が説明しています。ファイルを削除する、ソフトで初期化(フォーマット)する、リカバリーCDで工場出荷状態に戻す、という操作をしても、ハードディスクのファイル管理情報が変わるだけでデータそのものは残っている場合があり、専用ソフトで読み取れることがあります。リカバリーで購入時の状態に戻しても、データを記録していた領域は消去されていないと協会は明言しています(同協会サイト、2026年9月18日確認)。

協会が挙げている消去方法は、専用ソフトで上書きする、消磁装置で消す、専用機器で物理的に破壊する、の3つです。自分でハードディスクを取り出してハンマーで叩くのは、ガラス盤が粉砕して怪我をする危険があるためやめるよう注意しています(同協会サイト、2026年9月18日確認)。

出した後も、メーカー回収ではハードディスクの破壊など情報漏洩を防ぐ措置がとられ、小型家電の回収でも回収ボックスの施錠などで盗難を防ぎ、認定事業者が個人情報を含む機器を管理します(協会サイト・政府広報オンライン、いずれも2026年9月18日確認)。それでも消去は排出する側の責任なので、出す前に済ませておくのが確実です。

自治体のごみに出せる物と出せない物、業者に渡す前の確認

市町村の小型家電リサイクルの対象になっていない家電は、従来どおり粗大ごみや燃えないごみとして回収されると政府広報オンラインが説明しています(2026年9月18日確認)。さいたま市も、小型家電のリサイクルは義務ではないため、従来どおり「もえないごみ」として収集所に出すこともできると案内しています(さいたま市サイト、2026年9月18日確認)。

パソコンは別です。さいたま市はパソコンを収集所に出さないよう明記し、メーカーの撤退・倒産や自作で問い合わせ先の無いパソコンも収集所には出せないとしています(同市サイト、2026年9月18日確認)。横浜市のように小型家電回収の品目にパソコンを加えている自治体もあるため、自治体の案内に載っているかどうかが分かれ目です。家電4品目は自治体の粗大ごみでは受け付けられず、家電4品目の捨て方の道筋で家電小売店に渡します。

巡回のトラックやチラシの業者に渡す前に、確認しておきたいことがあります。

ご家庭から廃家電などの廃棄物を回収するには、市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可や委託が必要です。

環境省は同じパンフレットで、「産業廃棄物処理業」の許可や「古物商」の許可では家庭の廃棄物を回収できないこと、大音量で巡回する、空き地で回収する、チラシを配布するといった業者に回収された廃家電が不法投棄や不適正処理された事例があることを挙げています(環境省パンフレット、2026年9月18日確認)。政府広報オンラインも、軽トラックで戸別回収する業者の多くは一般廃棄物収集運搬業の許可や市町村の委託を受けておらず、適正な処理を確認できないと説明しています(2026年9月18日確認)。

許可の有無は、市区町村が公開している一般廃棄物処理業の許可業者一覧で照合できます。探し方は一般廃棄物の許可業者の探し方に、依頼前に確認する項目は回収業者に頼む前に確認することにまとめています。業者から許可番号を聞けたら、許可番号チェッカーで名簿と照合してから連絡してください。

よくある質問

PCリサイクルマークが無い古いパソコンは、いくらかかりますか。

メーカーが回収する場合の回収再資源化料金は、各メーカーの窓口に問い合わせて確認する形です。メーカーが倒産・撤退している場合と自作パソコンは協会が回収し、料金は本文の表のとおり1台4,400円か5,500円(税込)で、振込手数料が別にかかります(パソコン3R推進協会サイト、2026年9月18日確認)。マークが無くても家庭で使っていたパソコンなら無料になる場合があると経済産業省が案内しているので、払う前にメーカーへ一度問い合わせておくと無駄がありません。

回収ボックスに入らないデスクトップパソコンは、どこに出せばよいですか。

基本はメーカーの回収窓口で、PCリサイクルマークが付いていれば料金はかかりません(経済産業省サイト、2026年9月18日確認)。さいたま市は回収ボックスに入らないパソコンをごみ処理施設への直接搬入で受け付け、横浜市とさいたま市は認定事業者の宅配回収も案内しています(各市サイト、2026年9月18日確認)。お住まいの自治体の案内を[市区町村のページ](/city/)から確認し、載っていなければメーカー回収に申し込みます。

電源が入らない壊れたパソコンのデータは、どう消せばよいですか。

本体が動かなくてもハードディスクが生きている場合があり、データ流出の危険は残るとパソコン3R推進協会が説明しています。協会が挙げている方法は、使えるパソコンにハードディスクをつないでデータ消去プログラムで消す方法と、物理的・電磁的に破壊する方法で、破壊には専用の装置が必要なため専門業者への依頼を勧めています(同協会サイト、2026年9月18日確認)。自分でハンマーで叩く方法は怪我の危険があるため、協会が控えるよう案内しています。

まとめ

パソコンはメーカーの回収窓口、小型家電は自治体の回収ボックスか認定事業者、どちらにも当てはまらない物は自治体のごみ、という3つの出し先を押さえれば迷いません。パソコンはPCリサイクルマークがあれば無料、無ければ回収再資源化料金がかかり、メーカーが無いパソコンは協会が有料で回収します。回収ボックスは投入口の大きさで入れられる物が決まり、対象品目とパソコンの扱いは自治体ごとに違います。データの消去は排出する側の責任なので、出す前に済ませておきます。

お住まいの自治体の案内は市区町村のページから、品目ごとの扱いはパソコンなどの品目一覧から確認できます。家電4品目が一緒に出るなら家電4品目の捨て方を、回収業者に頼むなら回収業者に頼む前に確認することを読み、聞けた許可番号を許可番号チェッカーで照合してから連絡してください。

参考文献