粗大ごみに出せないもの消火器・タイヤ・ピアノの出し先

実家の片付けや引っ越しで粗大ごみを申し込んだら、消火器やタイヤ、ピアノは「受け付けできません」と言われて手元に残ることがあります。自治体が受け付けない品目には、法律や製品団体の仕組みで別の出し先が用意されています。廃棄物処理法と環境省の通知、横浜市・名古屋市・札幌市・東京23区の案内をもとに、品目ごとの出し先と費用の有無を整理しました。読み終えると、手元の品物をどこへ持って行けばよいかが決まります。まず早見表から見てください。

粗大ごみに出せないものと出し先の早見表

粗大ごみ受付で断られる品目は「危険物」「処理が困難な物」「別の法律や団体の仕組みで回収される物」の3つに分かれます。

品目受け付けない理由出し先費用
消火器処理困難(メーカー団体が回収)消火器リサイクル推進センターの特定窓口・指定引取場所有料(リサイクルシール代+窓口により保管費・収集運搬費)
自動車・バイクのタイヤ適正処理困難物(環境大臣の指定)タイヤ販売店・ガソリンスタンド・専門業者販売店に確認
自動車・バイク・電動自転車のバッテリー危険物(鉛蓄電池など)カー用品店・ガソリンスタンド・販売店販売店に確認
プロパンガスボンベ・高圧ガスボンベ引火の危険(危険物)販売店・都道府県のLPガス協会販売店に確認
灯油・ガソリン・塗料・廃油引火性販売店・給油所。少量は布や紙に染み込ませて可燃ごみ(名古屋市)販売店に確認
ピアノ・耐火金庫重量物・処理困難販売店・メーカー・専門業者業者に確認
オートバイ処理困難二輪車リサイクルシステムの指定引取場所参加メーカーの車両は無料(運搬を頼むと実費)
リチウムイオン電池・モバイルバッテリー発火事故の原因JBRC協力店か自治体が指定する区分自治体・協力店で異なる
スプレー缶・カセットボンベ収集車・処理施設の火災原因自治体が指定する区分(中身を使い切る)自治体の区分に従う
在宅医療の注射針感染性かかりつけの医療機関医療機関に確認
農薬・薬品類有害性購入店・メーカー・専門業者業者に確認
土・砂・石・コンクリートブロック処理困難販売店・専門業者業者に確認
エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機家電リサイクル法の対象家電小売店リサイクル料金+収集運搬料金
パソコン資源有効利用促進法の対象メーカー回収・小型家電リサイクルメーカーの案内による

出し先は横浜市・名古屋市・札幌市・練馬区・大田区・世田谷区の公式案内と各団体の公式サイトで確認しました(2026年9月18日確認)。区分は自治体ごとに違うため、お住まいの自治体の「収集できないもの」ページで確かめてください。家電4品目は家電4品目の捨て方、パソコンはパソコン・小型家電の処分方法で扱っています。

なぜ自治体はこれらを受け付けないのか

法律で「適正処理困難物」に指定されている

廃棄物処理法第6条の3は、市町村が処理している一般廃棄物のうち、市町村の設備や技術では適正な処理が全国的に困難になっていると認められるものを環境大臣が指定できると定め、市町村長はその製品を製造・販売する事業者に処理への協力を求めることができます(e-Gov法令検索、2026年9月18日確認)。指定されているのは平成6年の厚生省告示第51号による4品目です(環境省サイト、2026年9月18日確認)。

指定品目条件
廃ゴムタイヤ自動車用のものに限る
廃テレビ受像機25型以上の大きさのものに限る
廃電気冷蔵庫内容積250リットル以上のものに限る
廃スプリングマットレス条件なし

テレビと冷蔵庫はその後にできた家電リサイクル法の道筋に移りました。スプリングマットレスは受け付ける自治体と受け付けない自治体に分かれるため、マットレス(スプリング入り)のページで確認してください。

収集車と処理施設を守るために断っている

練馬区は「危険性のある物、著しく悪臭を発する物、引火性のある物、有害性のある物」を収集できないと明記し、鉛蓄電池・薬品類・灯油・塗料・ガスボンベを例に挙げています(練馬区サイト、2026年9月18日確認)。大田区も同じ区分に石油類・バッテリー・毒物及び劇物・未使用の花火を挙げています(大田区サイト、2026年9月18日確認)。

環境省が令和7年4月15日に出した通知によると、リチウム蓄電池とそれを使った製品に起因する火災事故等は、令和5年度に全国の市町村で8,543件発生しています(環境省通知 環循適発第2504151号、2026年9月18日確認)。

別の法律や団体の仕組みで回収される

家電4品目は家電リサイクル法、パソコンは資源有効利用促進法、消火器は日本消火器工業会、オートバイは二輪車リサイクルシステム、小型充電式電池はJBRCというように、製品を作った側が回収の道筋を用意している品目です。自治体はその道筋を案内するため、粗大ごみの受付では「対象外」と告げられます。

消火器・タイヤ・バッテリー・ガスボンベ・燃料の出し先

消火器はリサイクルシールを貼って特定窓口か指定引取場所へ

消火器は消火器リサイクル推進センターの仕組みで処分します。窓口は、販売代理店などが担う「特定窓口」が全国に約5,000か所、メーカー営業所などが担う「指定引取場所」が約200か所あり、同センターのサイトで検索できます(消火器リサイクル推進センターサイト、2026年9月18日確認)。

2010年以降に製造された消火器には新品時からシールが貼られており、貼られていない2009年以前製のものは「既販品用シール」を買って貼ります。シールはオープン価格で窓口ごとに料金が決まり、家庭向けには同センターが小型用シールを1枚600円で通信販売しています(送料・代引手数料別、同センターサイト、2026年9月18日確認)。シールを貼った消火器を指定引取場所に持ち込めば追加費用はかからず、特定窓口への持ち込みは保管費、引き取り依頼は収集運搬費が別にかかる場合があります。エアゾール式の消火具は対象外で、横浜市はスプレー缶として出すよう案内しています(横浜市サイト、2026年9月18日確認)。

タイヤとバッテリーは販売店・ガソリンスタンドへ

名古屋市は自動車用タイヤ・ホイール・バッテリーを販売店・専門業者に相談するよう案内しています(名古屋市サイト、2026年9月18日確認)。札幌市はタイヤを「廃タイヤ取扱い協力指定店」の表示があるタイヤ販売店やガソリンスタンドへ、バッテリーをリサイクル回収を実施しているカー用品店・ガソリンスタンドへ出すよう案内しています(札幌市サイト、2026年9月18日確認)。買い替えるなら、新しい物を買う店に古い物の引き取りを頼むのが手間の少ない方法です。費用は店ごとに決まるため、持ち込む前に電話で確かめてください。

プロパンガスボンベは販売店かLPガス協会へ

名古屋市はLPガスのボンベを販売店または愛知県LPガス協会へ、一般高圧ガスのボンベを販売店または東海高圧ガス容器管理委員会へ相談するよう案内し、札幌市は北海道LPガス協会石狩支部の連絡先を載せています(名古屋市・札幌市サイト、2026年9月18日確認)。ボンベに貼られたラベルの販売店に連絡するのが最短で、販売店が分からないときは都道府県のLPガス協会に問い合わせます。

灯油・ガソリン・塗料は販売店に相談し、少量は布に染み込ませる

灯油・ガソリン・シンナー・塗料などの石油類は、液体のままでは収集されません。名古屋市は、灯油などの廃油とペンキなどの廃塗料について、販売店などに相談するか、布や紙に染み込ませて可燃ごみとして出す方法と、廃油処理キットで固めて可燃ごみに出す方法を案内しています(名古屋市サイト、2026年9月18日確認)。大田区は「灯油が入ったままの石油ストーブ類」を収集できない品目に挙げつつ、灯油を抜けば粗大ごみとして収集できると書いています(大田区サイト、2026年9月18日確認)。空の灯油タンク・ポリタンクの扱いは灯油タンク・ポリタンクのページで確認できます。量が多い灯油は、買った給油所や燃料店に引き取りを相談してください。

ピアノ・金庫・オートバイ・電池・スプレー缶の出し先

ピアノと耐火金庫は販売店・メーカー・専門業者へ

ピアノと耐火金庫は、横浜市・札幌市・練馬区・大田区がそろって収集しない品目に挙げています。横浜市は購入先・販売店・メーカーに相談するよう案内しています(横浜市サイト、2026年9月18日確認)。名古屋市は耐火金庫について業界団体の窓口を案内したうえで、50センチメートル角以下の小型のものはお住まいの区の環境事業所に問い合わせるよう書いています(名古屋市サイト、2026年9月18日確認)。

ピアノは状態によって買取の対象になるため、処分費用を払う前に販売店や買取業者に査定を頼む選択肢があります。電子ピアノ・エレクトーンは粗大ごみとして手数料を定めている自治体があり、電子ピアノ・エレクトーンのページで確認できます。

オートバイは二輪車リサイクルシステムの指定引取場所へ

国内メーカーと輸入事業者が運営する二輪車リサイクルシステムでは、参加事業者が国内で販売したバイク(原動機付自転車・軽二輪・小型二輪)を全国約170か所の指定引取場所で引き取っています。参加事業者の車両はリサイクル料金が無料で、指定引取場所に自分で持ち込めば排出時の費用負担はありません。自分で運べない場合は「廃棄二輪車取扱店」に運搬を頼めますが、廃車手続きと廃車処理にかかる実費は排出者の負担です(自動車リサイクル促進センターサイト、2026年9月18日確認)。

引き取りの条件はフレーム・エンジン・ガソリンタンク・ハンドル・前後輪の5つが一体で残っていることで、動かなくても自立すれば引き取ってもらえます。並行輸入車など参加事業者以外が販売した車両は対象外で、持ち込む前に車台番号で照会します。廃車手続きの完了を示す書類も要ります(同センターサイト、2026年9月18日確認)。

リチウムイオン電池は自治体の区分かJBRC協力店へ

リチウムイオン電池やモバイルバッテリーは、他のごみに混ぜると収集車や処理施設で発火します。前述の環境省通知は、令和5年度に分別回収を行っている市町村が75%にとどまるとして全市町村に回収体制を求め、火災の主な原因品目にモバイルバッテリー・加熱式たばこ・コードレス掃除機のバッテリー・スマートフォンなどを挙げています(環境省通知、2026年9月18日確認)。

出し方は自治体で分かれます。札幌市はごみステーションには出せないとしてJBRCの回収協力店へ持ち込むよう案内し、破損・膨張・液漏れした物やリサイクルマークのない物は市役所や清掃事務所で引き取ります(札幌市サイト、2026年9月18日確認)。世田谷区は、端子部分をテープで覆い、他の不燃ごみとは別の袋に入れて「充電式電池」と貼り紙をすれば不燃ごみの日に出せるとし、膨張・変形した物は清掃事務所などの回収窓口へ持ち込む扱いです(世田谷区サイト、2026年9月18日確認)。

JBRCが回収するのは会員企業製のニカド電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池で、電器店・スーパー・ホームセンターなどの協力店に持ち込みます。破損や膨張のある電池、ハードケースに入っていないラミネートタイプ、メーカー不明品は対象外で、自治体かメーカーに相談する扱いです(JBRCサイト、2026年9月18日確認)。取り外せない電池は、無理に分解せず製品ごと自治体の案内に従って出します(環境省通知より)。

スプレー缶・カセットボンベは中身を使い切って自治体の区分へ

スプレー缶とカセットボンベは自治体が収集しますが、出し方を誤ると収集車の火災につながります。世田谷区は、中身が残っていればガス抜きをし、穴あけはせず、他の不燃ごみとは別の袋に入れて「カセットボンベ」などと表示して不燃ごみの日に出すよう案内しています(世田谷区サイト、2026年9月18日確認)。穴あけの要否や出す区分は自治体で違うため、お住まいの自治体の分別ページで確認してください。

お住まいの自治体で扱いが違う品目の確認方法

同じ品目でも、自治体によって受け付ける・受け付けないが分かれます。リチウムイオン電池は札幌市がごみステーション不可、世田谷区が不燃ごみで可という具合です。市町村ごとに処理計画と施設が異なるためで、確認の手順は次のとおりです。

  1. 自治体名と「収集できないもの」または「処理困難物」で検索する。ページ名は横浜市「市では収集できないごみ」、名古屋市「処理困難なもの」、練馬区「区では収集できないもの」のように自治体ごとに違う
  2. 一覧に品目があれば、書かれた相談先へ連絡する
  3. 一覧に無い品目は、自治体のごみ分別辞典で引く
  4. 分からなければ清掃事務所に電話で品目・サイズ・状態を伝える

このサイトでは市区町村から探すから自治体ごとの粗大ごみの申込先・手数料のページにたどれ、品目別の手数料は品目一覧にまとめています。受け付けてもらえる品目の申込から収集までの流れは粗大ごみの出し方、自分で持ち込む手順は粗大ごみの自己搬入で説明しています。

受け付けてもらえない物を回収業者に頼むときの確認

「自治体で断られた物もまとめて引き取ります」という広告に頼る前に、確認することがあります。環境省は、家庭の廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物処理業の許可か市区町村からの委託が必要で、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できないと説明しています(環境省サイト、2026年9月18日確認)。

消火器・オートバイ・小型充電式電池には団体の仕組み、タイヤ・バッテリー・ガスボンベ・燃料には販売店という、自治体が案内する出し先があります。回収業者に頼むのは、そこで引き取ってもらえなかった物や自分で運べない物に絞ると無駄がありません。頼む場合は、お住まいの市区町村が公開している一般廃棄物収集運搬業の許可業者名簿に載っているかを先に確かめてください。名簿の探し方は一般廃棄物の許可業者の探し方、依頼前の確認点は不用品回収業者のトラブルと許可の確認方法で説明しています。

よくある質問

消火器を買った店が分からなくても処分できますか。

できます。消火器リサイクル推進センターの「リサイクル窓口検索」で近くの特定窓口か指定引取場所を探し、持ち込むか引き取りを依頼します。2009年以前製でシールが無いものは、窓口か同センターの通信販売でシールを買って貼ります(同センターサイト、2026年9月18日確認)。

オートバイの廃車書類をなくしました。それでも引き取ってもらえますか。

引き取ってもらえます。二輪車リサイクルコールセンター(050-3000-0727)に連絡すると「コールセンター確認書」が発行され、指定引取場所で提示すれば手続きできます。届出も登録もしていないレーサー車両も同じ扱いです(自動車リサイクル促進センターサイト、2026年9月18日確認)。

実家に残った期限切れのカセットボンベは、どう出せばよいですか。

自治体が指定する区分に、中身を使い切ってから出します。世田谷区の案内では、ガス抜きをして穴は開けず、他の不燃ごみと別の袋に入れて「カセットボンベ」と表示し、使い切れないときは「中身あり」と追記します(世田谷区サイト、2026年9月18日確認)。区分と穴あけの要否は自治体ごとに違います。

まとめ

粗大ごみで受け付けない品目には、それぞれ決まった出し先があります。消火器は消火器リサイクル推進センターの窓口へ、オートバイは二輪車リサイクルシステムの指定引取場所へ、リチウムイオン電池はJBRC協力店か自治体の指定区分へ。タイヤ・バッテリー・ガスボンベ・燃料は販売店へ、ピアノ・耐火金庫は販売店・メーカー・専門業者へ相談する流れです。

扱いは自治体ごとに違うため、市区町村から探すからお住まいの自治体のページをたどり、「収集できないもの」一覧とあわせて確認してください。回収業者に頼むときは、許可番号チェッカーと市区町村の許可業者名簿で許可の状況を照合してから連絡してください。

参考文献